永遠の仏陀からのメッセージ 『日本編』企業シリーズ 8

3月28日夕方5時。 仏陀は、修行に入る、と言われた。
『日本編』企業シリーズ 8
男は、賞与を2倍もらったことを喜んでいた。 そんな時、昔の友人がやってきた。「会社が赤字を出したため銀行などから借りた金が返済できない。 お金を貸してほしい」と言った。 友人の男とは、学生時代からの長い付き合いだった。 男は、自ら倒産した苦しさを体験していたので金の工面の大変さやその切羽詰まるような苦しい状況は、よくわかっていた。友人は高額な借金を申し込んできたが、それは断った。男は、ボーナスの半分ならと思い貸した。学生時代の仲の良い友人に対して借用書の要求は言い出せなかった。
帰宅した男は、家族に今回賞与が2倍になったことは隠してこれまでと同額を渡した。 男は、会社ではいつもと同じように働いていた。
会社で仕事をしていた時に携帯の電話が鳴った。友人からだった。借金を返してくれるのだろうと思った。 友人に会った。心労と疲労が顔に表れ見すぼらしい姿だった。友人は「この間の金は、借金の返済に当てた。 本当に会社は危ない。 倒産する」と言い涙を流した。「少しでも良いから工面してほしい」と懇願してきた。 男は同情したが、手持ちの金は大してなかった。 後日、ひそかに貯めていた金の一部を家族に内緒で渡した。借用書を書いてくれとは、また言えなかった。
それから1ヶ月後友人から連絡があったが、会いたくなかった。 男が会社の門を出た時、門の影からすっと友人が現れ声をかけてきた。 顔には、生気がなかった。 「金を全額返す」と、か細い声で言った。 男は、ホッとして会社の近くの喫茶店に入った。 友人は、金の入った封筒をテーブルの上に置いた。 借りた時の弱々しい困惑した姿はなかった。が、礼を言わなかった。 そして、「会社は不渡りを出さずに済み、危機を脱した。ただ会社を立て直すための資金がいる。 絶対に迷惑はかけないから…」と保証人の書類を出し署名と捺印を依頼してきた。 男は、「貸した金は戻ってきた。若い時からの友人だし、金額は大したことではない。 友を裏切るわけにはいかない」と署名捺印した。後日、男は密かに貯めておいた金を全額友人に送金した。
数ヶ月経った或る日曜日、家族で団欒をしていたところに玄関のブザーがなった。玄関には、荒々しい男が2人立っていた。書類を見せながら「 保証人となっている。金を返してもらいたい!」と言った。闇金融業者だった。 借りた金は、返金できず利息がつき、かなりの高額になっていた。 男は、友人に電話をしたが出なかった。闇金融業者は、帰っていった。
男は、友人の家に行った。 人が住んでいる気配がなかった。「夜逃げしたらしい」と近所の人から聞いた。友人との連絡は途絶えた。男の家族は、深刻な空気に包まれていった。 男は、妻には金を貸したことなど何も伝えていなかった。 金融業者は、毎日会社の門で男の出てくるのを待ち伏せ返金を迫った。 社内では、男の噂話が聞こえるようになっていた。 借金は、返済期間が伸びて雪だるまのように増えていた。保証人として借金と利子を返済するには、家を売るしかなかった。 苦労して手に入れた家を…、手放し…返済した。
男は、家族と共に小さな賃貸のマンションへと移り住んだ。 家族は、父親の落ち度を責めた。 家庭は、暗くなっていった。 男は、今までの明るい様子を見せなくなった。 男の様子を心配した会社の社長が訳を聞いた。男の話を聞いた社長は、男の今までの実績を評価し、社宅へ移るように勧めた。
仏陀は、言われた。「人に金を貸す時は、その金をあげたものとして渡さなければならない。 親しい仲でも安易に金を貸したり、保証人になってはいけない」