3月26日夕方5時、仏陀は「修行に入る」と言われた。
『日本編』企業シリーズ 4
女は、職場で明るい顔で仕事に精を出した。 後輩から 「最近は明るいですね。何かあったんですか?」 と聞かれ、「紛失物が出てきて嬉しいのよ」とさらりと言えるようになっていた。 心の縛りから完全に解放されていた。
会社は、小規模なクッキー工場だった。 ある日、会社に客が訪れた。 女が応対した。客は、「この会社の評判を聞き、子どもの就職に薦めたいと思い、話を聞きに来ました」と言った。 「ホームページに、社長さんが朝社員を会社の入り口で挨拶をして迎える、と書いてありました。 社員はとても気持ちが明るくなるとのコメントがありました。 また、社内で仕事をしていると社長から必ず『ありがとう』と声をかけられるとのコメントもありました。 本当でしょうか? お聞きしに来たのです」 客はこの会社に魅力を感じたとのことだった。
確かに社内の雰囲気は、明るかった。 社員同士の噂話や陰口も少なかった。 上司は、部下を可愛がった。 社員は自分の仕事に精を出して不平を言わずによく働いた。 会社の商品は、品質と味が良いと評判だった。
そんなある日、一番大きな取引先から納品物の値下げ交渉の話が来た。 社長は、近年の材料の高騰と品質へのこだわりを説明した。 取り引き先相手は、新しい会社から安い商品の話が来ている、と譲らなかった。 社長は即答出来ず、次回の話し合いの日程を決めて別れた。
社長は部下を集めた。「近年の材料の高騰と品質の維持並びに会社の利潤を考えて中身を少なくして納品するしかない。話し合いが決裂すれば納品を断わられ、会社最大の危機が訪れる」と説明した。説明を聞いた社員たちは、「この危機に備えて新しい納品先を開拓しましょう!」と提案した。会議の内容は深刻なのにも関わらず、社員たちの顔に暗さはなかった。 社員一同で危機を脱しようという気迫があった。
仏陀は言われた。 「すべての家庭、社会の基本は挨拶と感謝の言葉である。 些細な言葉であるが、重大な意味がある」