永遠の仏陀からのメッセージ『日本編』ある男Bシリーズ 1

2025年9月5日朝5時半。仏陀は、言われた。「今日からブッダシリーズが再開される。まず唱えよ。唱えよ、と・・・・・」

『日本編』ある男Bシリーズ 1

或る町の話である。
ある男が仕事を終え、一日の疲れを肩に背負って歩いていた。希望も生きがいもない。
ただ生きているから、家族がいるから、働くだけ。それに何も疑問を持っていなかった。人並みの生活はしているし、世間から見ても過不足なく平均的に暮らしていた。
ある日、仕事を終えての帰宅の途中に本屋に立ち寄り、本棚から1冊の本を手に取ると、隣にいる若者も同じ本を手にしていた。親近感を覚え、思わず話しかけると、その青年は、素直に自分を受け入れるように瞳を輝やかせ、静かに頷いた。男は、青年と自分に共通する意識を感じた。ただ、それだけの出来事だった。

その後男は、仕事の帰りに毎日本屋に立ち寄り、時折青年と出会った。青年も男を受け入れてお互いに通じ合うものを感じ、挨拶を交わし、そのうちに話をするようになった。
青年は、今の世の中で生き方を模索していた。彼は、コーヒーを飲みながら「会社に勤めて2年目、仕事は覚えたけど、果たしてこのままこのレールに乗って仕事をして、家庭を持ち、人生を終えていいのだろうか。何か自分の生きる道があるのではないか、と思うんです」と語った。男は、若者をじっと見つめながら自然と想いを巡らしていた。人生の後半となったが、今まで安定した生活と職場での地位を得、不安も疑問も持たずにいた。それ以上の出世欲もなく、ただ仕事熱心で、上司や同僚からは誠実と言われる人柄だった。妻は、正反対の考え方で「だからあなたは出世しない」と不満を持っていた。そして常に人と比較し、他人以上の生活をしたかった。男は、妻が作った家庭のルールにくたびれていた。そんな時人生を見つめる青年の話が、新鮮で眩しかった。

男は、今までの人生を振り返った。生き方を問い出した。社会人として通用しても、心は何ひとつ充実していないことに気がついた。男は、青年と度々会って話をした。男は、若い頃自分も抱いた疑問であったことを思い出し、再び「生きる希望、何で生きるのか、ほんとうは何をしたいのか?」と考え始めた。…

ブッダは言われた。気がつけば、人生は変えられる。年齢ではない。心のあり方によるのである。