永遠の仏陀からのメッセージ「日本編」企業シリーズ 12

3月30日夕方5時。 仏陀は、修行に入る、と言われた。
「日本編」企業シリーズ 12
男は、社長に就任した。今まで上司だった人たちも皆祝いの言葉を述べてくれた。社内を歩いていても、すれ違う社員全員が新社長にお祝いの言葉を伝えた。そんな日々が過ぎてある時、かつての上司たちが、ひそひそ話をしていた。社長が、そばに近づくと急に話をやめた。社長への不満を囁き合っていたのだ。 かつての上司たちは皆、自分が次期社長になりたいと思い互いに牽制し合っていた。まさかの人事であったが、前社長の強い意向に同意せざるを得なかった。皆面白くなかった。 社長は、気にしないようにした。
社長は、会社に意見箱を作った。社内の意見を聞き、取り入れようとした。 ところが意見箱の内容は会社を良くする意見でなく、不平や不満がたくさん書いてあった。その量の多さに呆れた。 社長は、意見箱の内容を無視した。すると従業員たちは、意見箱に意見を入れても何も反映しないと不満を言い合った。社長が、廊下ですれ違っても今までのような挨拶をしなくなった。 社内の明るい雰囲気も活気もなくなっていた。
社長は、売上を伸ばそうと考えた。自分が開拓した商品の取引店にキャンペーンをやってもらうように会議で提案した。 皆の同意で可決した。 社長は、売上が伸びればボーナスを上げることも提案した。社員は喜んだ。 営業の社員は、取引先へ行った。「商品をキャンペーンをしているので、商品を多く納品したい。 目立つところに置いてもらいたい」と取引相手に伝えた。 相手は、商品を多く仕入れることになるならと値引きを要求した。 仕入れ商品は、低価のまま置くと言った。交渉は成立し、取引店はキャンペーン商品を客に勧め売った。 よく売れた。これを聞いて、他の営業社員たちは取引先に同じことをした。 しかし、値引きをして納品したため、結果的には多く売っても利益は同じだった。 社長は会議でキャンペーン商品は利益は同じなのでボーナスを上げることはできない、と告げた。 営業や製造に関わる社員たちは不満だった。社内には、かつてなかった不平、不満や影口が飛び交った。
社長は、社員を喜ばすために暑気払いを提案した。久々の飲み会だが、空気は決して明るいものではなかった。 社長は、社員を喜ばすためにゲームを提案した。 優勝者には、社長のポケットマネーで金一封をを出すと言った。ゲームは盛り上がり、社員は笑ったりため息をついたりと明るく楽しい雰囲気に変わった。 ゲームに勝った者に賞金が渡された。 賞金を受け取った者へ社員たちは手を叩いた。会場は、ゲームで一気に明るくなっていた。 ゲームが終了した。参加者全員1つになり盛り上がった雰囲気は、一変した。 個々で飲み合う静かで活気ない雰囲気へと戻っていた。
仏陀は、言われた。「これは、現代の日本の政府の状況である。 アメリカも同じである」