3月31日朝5時45分、仏陀は、修行に入る、と言われた。
「日本編」企業シリーズ 13
社内のあまりの変わりように社長は、心を痛め心配した。「社内の士気はなくなり、皆勝手なことを言うようになり、このままだと会社は危機を迎える」と・・・・・。
社長は、この状態を直す策を考えついた。 社長は、社の代表者たちを集め、「体が弱り、職務を続けられない。 休暇を取り静養する。 その間、あなた方代表者が、指揮し会社を運営して欲しい」と言った。 社長は、遠く離れた処へ移り静養した。社長の報告を受けても代表たちは焦らなかった。 社長が、いなくても仕事はできる、と思っていたのである。
営業が、新しい取引先を見つけてきた。 代表者たちは方針をまとめ、営業に指示した。指示書や計画書を持って新しい取引先へ行くと、この内容では受け入れられないと断られた。 今までの取引先も色々な理由をつけて取引停止を言ってきた。 会社で働く社員たちは、社長がいなくなったことで気が緩み自由奔放となり社則を守らなくなっていた。社内風紀は、乱れた。
その状態を見た社員のひとりが、他の社員たちを集めて行動を戒め、社則を守ろう、と呼びかけた。それを聞いた社員たちは嘲笑い相手にせず、以前にも増して規則を破り、勝手放題になっていった。
会社の事務局から電話があった。「社長、 いま会社は大変な状態です。取引会社が減ってます。社内規則を破り、下の者は上司の言うことを聞かなくなり、混乱状態です」と訴えた。 社長は、黙って聞くだけだった。 まだ会社に戻る時期ではないと判断した。
それから数週間経って会社を任せた代表から社長に電話があった。会社の経営状況や社内の様子についての説明があり、会社の危機を伝え、「体の状態が少しでも良くなったら戻ってきていただけないでしょうか。 会社を再建していただきたいのです!」と悲痛な声で訴えてきた。
社長は、戻るのは今だと判断し、会社に向かった。 代表者たちは、社長が戻り安堵し、心から喜んだ。 社員たちは、今までの行動を慎み一生懸命に働いた。
仏陀は、言われた。「人間は、真に価値ある人を見抜くことは困難である。 失って初めてわかる。国家も同じである。 真の価値ある者を失って初めてその価値に気がつく」