3月10日夕方5時。
仏陀は、修行に入ると言われた。
『日本編』企業シリーズ 33
社長は、朝礼で社長自ら社員に明るい声で「おはようございます」と挨拶をした。それから社員全員で一斉に挨拶をして社長を先頭に全員で太陽に掌を合わせた。大きな声で挨拶をすると社内の空気は一変し、明るくなった。社長は、社員たちの働きやすい職場を作ることを約束した。また、社員との気楽な交流会を月に一度開き、お茶と菓子を用意すると話した。社員たちは、久々の挨拶で心が温かくなった。新社長の社員を思う人柄に社員たちは安堵した。また、社長との懇談会も楽しみだと囁きあった。役員たちには、「いろいろと慣れない点もあるので気がついたところは注意してほしい」と言った。役員たちは、社長の偉ぶらない人柄の良さに安堵した。
社長は、経理部に帳簿を持って来させた。国内の利益が低迷しているのを調べる必要がある、と思った。外国人の社長は、外国の販売網を拡大する方針を優先していたため、その分国内市場の顧客が離れてしまった可能性があると思った。早速、営業部の幹部を呼び、市場動向の調査と取扱店の意見を聞くように指示した。調査をもとに、店頭での宣伝や情報網での地道な宣伝を強化するように指示した。
会社の国内販売高は、元に戻った。ファミリーレストラン部門については、低迷している直営店を閉店した。ファミレスの社員が、働きやすい環境づくりをするように指示し、社員に客の不満や注意を会社に連絡するようにと伝えた。
社員は、働く環境が良くなったことを喜んだ。客の要求も分かり改善し、売り上げは安定した。今までのファミレスで扱っていた海外商品は、日本生産の高級品のイメージを落とすとして撤去させた。社長が主催する1回、2回目の社員交流会が、開かれた。社員たちは会議室に集まり、社内の食品と別の菓子を持ってきていた。社長は、他社の菓子を観察していた。社長は、社員に気さくに話しかけた。社員たちは、社長の気さくな態度に心がほぐれて職場での出来事や商品の情報網に流れている購買者の反応や福利厚生で改善してほしいことなどを話した。社長は、社員の生の声として取り入れ、社内は明るくなり、社員の士気は高まった。
社長就任から三ヶ月がたった。逃亡した外国人社長を調査する会社から、彼はアフリカにいるとの連絡があった。会社は直ちに弁護士に依頼し、調査団をアフリカに送った。外国人の元社長は外国の法律を盾にして面談を断った。何をしても面談は成立せず、会社はこれ以上この事件を追求しても金と時間がかかるだけと判断し、一旦保留にし、外国人元社長がアフリカから移動した時、新たに追跡することにした。
仏陀は言われた。「人間は利益(金儲け)を追求する動物ではない。人間本来の姿を大切にしなければいけない」