永遠の仏陀からのメッセージ『日本編』企業シリーズ 34

2025年4月11日朝5時40分。
仏陀は、修行に入ると言われた。
『日本編』企業シリーズ 34
社長就任から六ヶ月が経った。社長は今まで自分のできる範囲で仕事をし、社内が安定したことに安堵した。
社長は、就任以来今まで創業者の墓参りをする心のゆとりがなかった。ようやく墓参りをする時が来た。墓前に掌を合わせ、「無力な私に力を貸してくださり有り難うございます。会社の理念を守り、企業の発展に力を注ぎます」と心で誓った。それから太陽に向かい、掌を合わせ「ありがとうございます」と心の中で言った。社長の心は爽やかだった。
社長就任から一年経った。会社は安定し、売り上げが伸びた。国内生産の商品は地道な情報網を使った宣伝と顧客を大切にする姿勢が評価され、市場開発部が取引先を広げる仕事をしなくても、客の方から取引を申し出て注文が増えていった。会社の収益は、上がった。社員は、社長が社内を歩くと明るい顔で挨拶をした。
商品のロスは少なくなり、仕事のミスがなくなった。社長との懇親会も評判で、社長との談話を楽しみにする社員が増え、社員から直に購買者の心理や街の評判の菓子など情報が入ってきた。それが会社経営に役立った。社長は、売り上げが伸びたのも社員の力の賜物と感謝した。収益の一部を社員の福利厚生に回そうと考えた。社員のために、海と山に保養所を作ることを考えた。役員会にかけ全員の賛同で可決した。
役員たちも保養所を利用できると喜んだ。保養所ができ、社員と家族は保養を楽しみ、社長に心から感謝した。
社長就任から二年経った。会社の経営は、今までの安定期から売り上げが大幅に伸び、世界に知れ渡る日本の製菓会社になっていた。ある日会社に世界的に有名なアメリカの雑誌から取材の申し込みがあった。紆余曲折のあった企業が急成長した姿を取材したい、ということだった。連絡を受けた会社は驚いた。一番驚いたのは社長だった。社長は当たり前のことをしただけで、何を話したらよいかと戸惑ったが、この申し出を快く受諾した。取材が始まった。雑誌の記者は、社長に企業が急成長した理由を尋ねた。
社長は、
1.創業者の理念の「太陽に掌を合わせること、社員全員で挨拶をすること」を朝礼で毎日している。
2.社員との懇談会を月1回開いている。
3.会社の理念である質の良い菓子を作ること。
と説明した。
記者は、怪訝そうな顔で「太陽に掌を合わせることと社員皆で挨拶をすることが、企業発展につながったのですか?」と問いかけた。
社長は、「太陽に掌を合わせるのは、命のもとに感謝することです。挨拶は、大きな声で明るく言うと人の心が明るくなる魂の言葉です。毎日続けると社内は明るくなり、働く原動力となり、素晴らしい商品を生み出します。社員との懇親会は、気楽な集会です。社員どうしの交流で社員が満足して働いているかがよくわかり、また社員どうしが気楽に話すことで市場の動向がよくわかり、経営方針に大変役立ちます」と答えた。
雑誌が発売された。「紆余曲折を経た会社が、日本のトップ企業になった秘訣」と題して3ページにわたって掲載された。会社は、雑誌により世界的に有名になり、世界各国から注文が殺到し、売り上げが伸び、世界でトップの製菓会社となった。会社には、世界各国から社長に企業経営学を学びたいという要望が集まり、経営大学を開校することになった。世界各地から受講者が集まった。
仏陀は、言われた。「社員を大切にする企業は、発展する」