私にとってはじめての寒修行ほど思い出深いものはありません。医師から法華経の修行者(日蓮宗の僧侶となったことでもありますが、ほんとうのところ修行者といった方が、正確だと思う)への転換は、この体験によって起ったのです。
それは、どこに軸を以て生きていったら良いかがわからない不安定なじぶんではなく『信じられる本当の自分』を見つける一つの旅だったのだと思います。私にとってそれは最重要のことでした。正直のところ何にも代えがたい幸せを得た、という実感と喜びに満ちたものでしたが、それだから終わりだということでは決してなく、むしろ、そこからこそがほんとうに始まりだったのです。
以上のようなことは、教えだけ(教えという概念を覚えることによって)で達成するものでは、ないのです。現にトラウマ、カルマなどから解放されてその奥にある本来の自分の心が現れ出た時にはじめて得られるものなのです。
そうした実践を行い、ひとりひとりがその人なりに感じ取ってゆくための場、そしてそのことを支えること、それが唱題であり、このたびの寒修行なのです。
https://yousyouzi.net/archives/1418
合掌