今日のような人間社会を生き抜くためには、自我の強化はある程度必要である。
しかし、自我が強化されるということは、他との分離感が強くなることでもあり、全体性(ワンネス、ホールネス)を失うことでもある。差別、格差、激しい競争、嫉妬心等に苦しむことにつながる。そのまま放置すると狂気に発展してしまうかも知れない。
それらの矛盾を克服し、人間同士、外界との、宇宙的一体感(神との合一)を回復するために『お祭り』が行われてきた。

バリのケチャクダンスなど一つの例だと思うが、日本のお祭りの根本にもそういった深いわけがある。
私の目指すお祭りもまた神との合一体験である。本当に合一しようと追求してきた。
これは、修行から見ればまだ究極的な地点ではなく、行き過ぎた自我を適正化しストレスを解消する智慧のひとつに過ぎない。
分離感の強くなりがちな現代人にこそ、必要なものだと思っている。