3月22日午後5時、仏陀からの体験的説法
※以下は、単に仏陀の言葉による説法やストーリ一ではなく、唱題修行を通して実際に仏陀に出会い、まるで人生体験のようにリアルに体験された内容を文字として記述したものです。
「王の物語編 24」
領民は災害に強い籾と芋を手に入れて食料への危機から解放され、安堵の日々を送っていた。 春になった。 農地は、籾と芋から芽が出て農民たちは、幸せだった。 夏が近づくにつれて、田畑には青々と成長してゆく稲と芋が、日の光で輝いていた。 農民たちは、良く草取りをし肥料をこまめに撒いて農作業に勤しんだ。 農民たちの顔は、明るかった。 初夏から夏にかけての頃だった。農地は、灰色の雲で覆われ、冷たい雨が降り続いた。陽が出ない日が、続いた。 農民たちは不安気に田畑を見てため息をついた。
稲と芋の成長が止まっていた。 農民たちは雨が止み、日が差すのをひたすら祈った。冷夏が襲った。 農民の1人が、「今までは旅人が現れて色々と教えてもらい救われた。今度は、私が代表として近隣諸国に視察に行く」と領地を出発した。隣国の田畑は、長雨の中で稲と芋は成長していた。目を見張った。 働いてる農民に駆け寄った。 「この長雨にも負けないで稲と芋が育つ秘決を教えてください」と尋ねた。
隣国の農民は「苦労してわかったことは、教えられない」と突っぱねた。いくら懇願しても首を縦に降らなかった。重い足を引きずり、また隣の国を訪れた。 農地が見えてきた。稲と芋は力強く成長していた。田畑には、涼しい風が吹いていた。働いている農民に前の国と同じことを尋ねた。するとあっけなく、「苦労してわかったことを容易く教えられない」と断られた。 農民は諦めなかった。重い足を引きずりさらに隣の国に着いた。 この国も稲と芋が見事に成長していた。また教えてもらえないのではないかと半ば諦めていたが、勇気を出して同じことを聞いた。すると聞かれた隣国の農民はあっさりと「長雨と冷夏に強い稲と芋を育てる農薬を開発した。 お金を出せば売る」と答えた。 予想を上回る高額だった。 農民は大切なお金を全部使い農薬を買い求め、意気揚々と自国に戻った。帰った知らせを聞いて農民たちが集まった。隣国を視察してきた農民は、その時の苦労話をした。 やっと手に入れた農薬を見せると農民たちの目が輝いた。農民は、苦労して手に入れた農薬は、安くは売れないと薬に高額な値をつけた。 みんな欲しがった。誰にも買えなかった。買わない様子を察した農民はもったいぶって「半額で売る」と言った。農薬を見つめていた農民たちは、全員買った。
冷夏に襲われた稲と芋は元気が、なかった。農夫たちは、買い求めた農薬を成長の止まった稲と芋に撒いた。これで稲と芋が成長すると期待を膨らませた。 数日後稲と芋は、さらに元気がなくなっていった。 天候のせいと考え、追加の農薬を撒いた。稲と芋は枯れてしまった。隣国の農薬を買いに行った農民の田畑は、青々とした芋に成長していった。農薬を買った農民たちが、怒り狂って農薬を売った農民を囲んだ。「責任を取れ、金を返せ」とありったけの声を張り上げた。囲まれた農民は、「自分の田畑は、稲と芋が成長している。 農薬に間違いはない。薬の撒き方が間違っているのではないか」と言い謝らなかった。怒り狂った農民たちは、農薬を売った農民を殴り罵り、また来ると言い放ち帰っていった。薬を買った農民たちは、隣国に行き売った農民を訪ねた。すると薬を売った農民は、「間違えて2種類の農薬を渡した。 雨と冷夏に強い薬と稲と芋を枯らしてしまう薬だ。冷夏に強い薬は開発に成功した薬で、枯らしてしまう薬は開発に失敗した薬だ。元々苦労して開発した薬は売りたくない。 薬を欲しそうだから、渡しただけだ。苦労して渡した薬を返してほしい」と言った。 これを聞いた農民は騙されたと気づいた。 怒り狂って交渉したが、相手にされなかった。
ブッタはこれは現在の世界情勢、国同士の腹の探り合い化かし合いを表した様子であると言われました。