永遠の仏陀からのメッセージ『日本編』ある女シリーズ 4

2025年4月13日夕方5時、仏陀修行に入ると言われた。
『日本編』ある女シリーズ 4
女はペットと一緒にいる時が幸せだった。月に一度、犬はトリミングサロンでシャンプーをし、カットをした。おしゃれにカットし、犬は老人ホームのアイドルになっていた。女は、ホームの老人に喜ばれるのが生きがいとなり、幸せな毎日を送っていた。
そんな時、友人が訪ねてきた。友人は「前ペットを譲ると言ってたけど、犬を見に来たのよ」と言った。女は、驚いてとんでもない可愛くて可愛くてと犬に頬づりをしながら「譲る気は毛頭ないの。ごめんなさい」と謝った。電話での時とあまりにもの違いに友人は驚いて帰った。
数ヶ月経った。人が訪ねてきた。客は「器量が良くとてもお利口な犬がいるとの噂を聞いて尋ねてきました」と言って名刺をよこした。ペットの繁殖業者だった。業者は、女の周りで遊ぶ犬を見ながらお客さんのワンちゃんでしたら、子供を産ませたら一匹○○円になりますよ。血統書はありますか、と尋ねた。女は、ペットを買った時にもらった血統書を見せた。一流犬だった。業者は血統書を見て頷き、「大変素晴らしい血統なので、この子でしたら引く手あまたですね。もし五匹生まれたら一匹○○円だから、合計○○○円になりますね」と言った。女は、可愛がっている犬での金儲けはためらったが、五匹で○○○円と聞き、心が揺らいだ。ペット業者は「家にいながらお金が手に入るのですよ」とさらに強調した。金儲けの魅力には勝てなかった。話は成立した。
業者が、雄犬を連れてきた。女は、お腹の大きくなった犬を大切に大切に育てた。流産したら大変と散歩で駆け回る犬を引っ張りやめさせた。母胎を安全にし、無事に子供を産ませることに神経を集中した。犬が産気づき、四匹の子犬が生まれた。かわいい子犬だった。親犬は子供をよく舐め、乳を与え育てた。
子犬が生まれてから二ヶ月経った。業者が引き取りに来た。業者は子犬を吟味し、四匹で合計○○○円を女に渡した。業者が帰った。家にいて働かずにお金を稼げたことを喜んだ。五匹だったら儲かったのにと思ったが、初めてだから妥協しようと思った。女は、親犬のことより金儲けの方に心を奪われた。親犬は、突然子犬を引き離されて探し泣いた。女は「犬にごめんなさい。そのうち慣れるからね」と言った。
女はさっそく子犬を売ったお金で洋服とバッグを買った。女は、ホクホクだった。老人ホームのボランティアには行かなくなった。
二ヶ月経った。業者が来た。同じ話を持ちかけてきた。快く引き受けた。数ヶ月経った女はお腹の大きくなった犬を宝物のように育てた。子供が三匹生まれた。五匹を産ませることを夢見ていたので、がっかりした。子犬はコロコロと順調に育った。
業者が来て三匹分の料金を渡し、犬を引き取った。女は三匹分のお金に不満だったが、次回は、五匹産ませれば良いと諦めた。親犬は、子犬がいないので泣いて吠えた。親犬に「そのうち慣れるからね」とつぶやいた。
二ヶ月経った。業者が来た。同じ話をした。女は快く話を引き受けた。今度は五匹産ませると自分に言い聞かせた。女は、お腹の大きくなった犬を大切に育てた。数ヶ月経った。犬は子犬を二匹産んだ。二匹しか産まれなかったことが不満だった。女は「五匹のはずなのに」とつぶやいた。子犬はすくすく育ち、二ヶ月経って業者に引き取られた。金をもらった女は犬に文句を言った。
かつてあれほど可愛がっていた愛情は薄れ、犬はお金を稼ぐ道具になっていた。二匹分のお金をもらったが、子犬がお腹にいると思い気遣った神経に比べて安すぎると考えた。女は、犬に愛情がわかなくなり、犬を友人に手放そうと思った。
女は、友人に電話で犬を譲ることを話した。「うちの犬は純血統書付きの一流犬だから、子供が五匹生まれたら○○○円になるのよ。安くしておく。買った時の値段でいいわ」と言った。電話をもらった友人は、その値段に驚き、金儲けもできて一石二鳥だと喜び、犬を譲り受けることにした。