2025年3月11日午後5時 唱題修行を通した仏陀からの修行
「王の物語編 3」
旅の続きである。
鬱蒼とした木々の枝をはらいはらい山道を歩く。物音は、しなかった。 仏陀と私の足音だけ響いた。 夕方に差しかかって暗くなり、心は落ち着かない。 早く村に着かねば、と不安になる。 心細い。必死で歩く。すると遠くの方から音が少しずつ近づいて来るのが、感じられる。 不気味な気配がする。
私は、仏陀に言った。「何かが、近づいてきます」
仏陀は、静かに言われた。 「虎が近づいてくる」

私は、恐怖心で震えた。逃げられない。 隠れる場所もない。 虎が見える。 私は、逃げようとした。 仏陀は、私の体を抑えた。虎は、走ってきた。仏陀は、 手を前に出し虎に「食う なら食うが、良い!」と声を高らかにあげた。 急に虎は、止まった。 仏陀と虎の目が、合った。しばし、虎と睨み合っている。やがて虎は、方向を変え元の道へと戻って行った。 私は、腰が抜けて動けなくなってしまった。
仏陀は、言われた。 「人は敵対するもの、苦手なものに向かう時、逃げてはダメである。 逃げれば、叩かれる。 失敗する。覚悟を決めて向かわなければいけない。 必ず道は、開ける」
合掌