永遠の仏陀からのメッセージ 19

3月18日午前5時45分、仏陀からの体験的説法
※以下は、単に仏陀の言葉による説法やストーリ一ではなく、唱題修行を通して実際に仏陀に出会い、まるで人生体験のようにリアルに体験された内容を文字として記述したものです。
「王の物語編 15」
昨日の続きである。
味方となる者が1人もいなかったことに衝撃を受け、王の心は孤独の淵に沈んだ。頭の中には、不安と焦りが潮のごとく押し寄せ、発狂せんばかりだった。か、と言って誰にも相談できず、来る日も来る日も城の一室に閉じ籠もっていた。
そんなある日…
これまで先祖の墓参りなどしたことがなかった王であったが、「亡き父王や一族の先祖に国の実情を訴えたい」という衝動に駆られ、気がづくと墓に向かっていた。墓前に着くや、思わず声をあげて泣き崩れてしまった…。
いつしか心は、ほのかな安らぎと落ち着きを取り戻し、今までやったことのない墓掃除を自ら行っていた。 以来、王は毎日墓参りをするようになった。
ある日、遠方から僧侶の一行が見えた。王は、僧侶を手厚くもてなし、たっぷりな食事と寝床を用意し、接待した。王は、僧侶の一番の長に国の実情を話した。王の目からは、涙が溢れていた。孤独感に打ちひしがれた深い苦悩の姿だった。王の話にじっと耳を傾けていた僧侶は、しずかに口を開いた。「王様、感謝したことはありますか? 王様を支えてくれる部下一人ひとり、働いてくれる農民、奴隷、家族、そして先祖から与えられた農地、城、実りをもたらしてくれる大自然の太陽、雨、風など…。 王様は、全て当たり前と捉えお過ごしですね。 何一つご自分でできるものはないのです。 全て生きとし生ける者、万物に感謝しましょう」王は、うなだれながらも時折深く頷いた。そこに今までの権力者の姿はなかった。 僧侶の説法が、王の身に心に染みわたった。 大粒の涙が頬を伝わって流れた。今まで考えたことのない言葉に心臓の鼓動の高鳴りゆくのを感じた。
早速、王は、家臣らに笑みを浮かべて朝の挨拶をした。 朝食を運んでくれる女の召使いにも礼を言った。 王の部下一人ひとりに自ら挨拶し、労いの言葉をかけた。肥溜め担ぎをする賤民にも、領内の農民にも挨拶をし、「良くやってくれてありがとう」などの言葉をかけた。農地を覆う大自然にも感謝した。
一ヶ月経った。城内は、家臣の明るい笑い声が聞こえるようになった。 領地を歩くと農民は、駆け寄ってきて王に明るく挨拶をし、よく働いた。
半年経った。執務をすると部下は城内の不備を伝え、王に解決策を提案するようになった。 今まで王政で欠落していた点が分かり、次々に解決するようになっていった。 農民は懸命に働き今までにない米の収穫を得ることができた。 国は豊かになり、国政は安定し、領民は国王を称えた。