永遠の仏陀からのメッセージ『日本編』企業シリーズ 20

2025年4月4日5時45分、仏陀は、修行に入る、と言われた。
『日本編』企業シリーズ 20
元社長は、新社長が墓参りに嫌々来たことを察し、困ったことだと思った。 どうしたら社長に墓参りの大切さを理解してもらえるかを考えていた。
元社長は、このままだと会社の将来がどうなるか心配だった。社長を推薦したことに責任を感じた。 自分が社長就任期間の業績を思い出して色々あったが、今日まで会社を発展させたのは自分の力だと自負する傲慢な心があったことに気がついた。 傲慢な心が過信につながり、次期社長を推薦したことに気がついた。 責任は、自分にあると思った。 元社長は、途方にくれた。
解決策は見つからなかった。
元社長は太陽に掌を合わすことを日課にしていた。太陽に掌を合わせて「助けてください」と祈った。毎日繰り返した。
数ヵ月が経った。会社の社員が元社長に会いに来た。男は、「驚きました。 社長が朝礼で太陽に掌を合わせ、皆と挨拶をするのです。暗い顔もなくなり小言も言わなくなりましたので、社内は元のように明るくなりました」と伝えた。この報告を受けて「元社長は、太陽の量り知れない力を魂で感じた」
仏陀は、言われた。「単に太陽を拝め、ということではない。人類は、太陽から量り知れない恩恵を受けている。太陽に畏敬の念を持てば、魂は祖先に繋がる。太陽からは量り知れない力を得ることができる。 太陽に畏敬の念を持たねばならない。 今の人類に一番欠けていることである」

永遠の仏陀からのメッセージ『日本編』企業シリーズ 19

2025年4月3日夕方5時、仏陀は、修行に入る、と言われた。
『日本編』企業シリーズ 19
元社長の男は、学生時代の友人に感謝した。「あの男がいなかったら今日の自分はなかった。不幸は、幸せを呼ぶ宝だった」と過去を振り返り感慨深げに言った。元社長は、幸せな日々を過ごしていた。
そんなある日、1人の婦人が訪ねてきた。社員の母親だった。女は、「私は、社長さんにお礼を申し上げに参りました。息子は、会社に入社する前は親に反抗して、私どもは、恐ろしくて息子に話しかけることさえ出来ませんでした。 何年も腫れ物に触るように接する日々でした。ところが、会社勤めをするようになってから、息子は夫と私に挨拶をするようになったのです。 家族は驚いてしまいました。 息子と挨拶を交わすようになったら、やがて家族で会話をするようになり、今では家中明るくなりました。 最近では、仏壇に掌を合わせお彼岸にお墓参りを一緒に行く、とまで言い出しました。息子は、『会社で太陽に掌を合わせ、毎日朝の挨拶をしている』と話しておりました。それで自然と気軽に挨拶の言葉が出るようになったのだと思います」と言った。 元社長は、自分が社でしてきたことが社員の家庭に幸せをもたらした、と心底喜んだ。
それから数ヶ月経って今度は会社の社員が元社長宅を訪れた。 元社長は、社員との久しぶりの再会を喜び、家にあげて話を聞いた。 社員は、「今の社長は、社員の顔を見ると注意と小言ばかりで面白くない。 社員たちは、なるべく社長と顔を合わせないようにしている。 社内は、暗い雰囲気に包まれている」と愚痴を言った。 社員が帰ると社長はこれは困ったものだと思い、解決策を考えていた。元社長は、社長と久しぶりに喫茶店で話をすることにした。 元社長は、何気なく「ご家庭で朝は何を召し上がるのですか? 」と話を持ちかけた。 社長は、「女房は寝坊で口数も少なく、起きていてもブスッとしているので、自分で用意して1人で食べて出社しています」と言った。 これを聞いた元社長はこれが原因だと判断した。 話の雰囲気から社長の家は、暗く家族の会話が少ないことがわかった。 元社長は、「次回は、創立者の社長の墓参りをしよう」と持ちかけ約束の日取りを決めて別れた。
墓参りの日が来た。 元社長が墓に花を供えて掌を合わせて創立者に御礼の言葉を言うと、社長は面白くなさそうに義理でお辞儀をした。
仏陀は、言われた。「太陽に掌を合わせることは、命の元、先祖につながっている。 今の人間には理解しづらい。 朝の挨拶は人間を変える」

永遠の仏陀からのメッセージ『日本編』企業シリーズ 18

2025年4月3日朝5時40分、仏陀は、修行に入る、と言われた。
『日本編』企業シリーズ 18
社長は、退任の日を迎えた。 社員全員の前で退任の挨拶をした。 今まで自分を支えてくれた社員に礼を言った。 次期社長並びに会長を紹介し、社員一丸となって会社発展のために働くよう、話した。 そして、社員には引き続き朝礼で太陽に掌を合わせること、社員同士皆挨拶することを約束させた。話が終わると一斉に盛大な拍手が起こった。退任を惜しむ声が、囁かれた。社員から大きな花束が送られた。社長は、役員社員に見送られて会社を後にした。
家に帰り、亡き妻に退職のことを伝えた。社長は、朝晩仏壇に掌を合わせ妻に挨拶と感謝の言葉を伝えた。妻に影膳を供えて、妻が支えてくれていたことを心から感謝した。見えない妻が、そばにいるようで幸せだった。
そうして平穏な日々を過ごしていると、インターホンが鳴った。出て見てみると金を持ち去り夜逃げした友人だった。社長は、絶句し動揺した。男は、みすぼらしい姿だった。 男を家に上げて話を聞いた。男は、金を持ち去ったことを心から謝った。 社長と温泉で会ってからというもの苦労の人生だった。土方をしてやっと金を貯めることができた。 借金の一部だが受け取ってほしい、と肩を落として金の入った袋を渡した。男の頬から涙が伝った。動揺していた社長は、男の姿をじっと見つめ話に聞き入っているうちに「かつて、この男を恨み追いかけもしたが、思えば自分はこの男により立ち上がったのだ。 この男がいなかったら、今の自分がない」と深く考えるに至った。そして男と学生時代を懐かしく語り合った。 社長は、話の途中裏の部屋にゆき、頂き物の菓子箱の上に男が返した金の袋を置いて袋に丁寧な字で「ありがとう」と書いた。そして菓子と金の袋を包装紙でくるみ紙袋に入れた。 男が帰る時、社長は「もらいものだ。手土産だよ」と言って袋を渡した。
男は家に帰り、紙袋の中身を開けた。返したはずの封筒に書いてあった言葉を見た。 男と妻は号泣した。男は、「多くの人に迷惑をかけてしまった。これからは人のお役に立てることをして生きよう」と誓った。男は、ホームレスの人たちを救う慈善団体に金を全額寄付した。

永遠の仏陀からのメッセージ『日本編』企業シリーズ 17

2025年4月2日夕方5時、仏陀は、修行に入る、と言われた。
『日本編』企業シリーズ 17
会社の経営は、安定していた。 社長は、退任の時期だと考えた。 会議を開いて役員たちに伝えた。 役員たちは、社長の退任を惜しんだ。 社長の意思は、固かった。後任の社長の人選について話し合われた。役員20人中5人の候補が出た。候補者はやる気満々で自信ありげに自分をアピールした。 会議が終わると、候補者は、役員仲間に対立候補の悪口を言ったり貶したりした。 一番押しの強い候補の男が、役員らにそれとなく賄賂を渡し人脈を作ろうとした。その様子を見て、他の候補者も追随した。 1人だけ賄賂には無関心の候補者がいたが、社長の器ではなかった。 役員同士の腹の探り合いで、3人の候補者が立候補を辞退した。
社長は役員の様子を見ていた。会議が開かれ、2人の候補者は、それぞれ社の未来像を熱く語った。賄賂に無関心な男は、社内の福利厚生に力を入れて社内環境を改善し、社員の士気を高め、営業利益を上げると語った。賄賂を使った男は、自信満々に経営方針を語り、売り上げが伸びたら直ちに賞与を倍にすると言った。社長は、候補の2人は社長の器ではと考えた。 社長は、以前から取引銀行に有能な人脈があった。社長引退後にその銀行の役員を会長職に迎え入れようと考え、話し合いが成立した。 また社長職には、経営手腕に秀でた大企業の役員を迎え入れようと考え、これも話し合いが成立した。会議が開かれた。 社長は、次期社長並びに会長についての案を伝えた。多数の役員たちも社内の2人の候補者は、社長の器ではないと判断し、社長の意見に賛成した。会社は、会長と社長を外部から起用することに決定した。
仏陀は、言われた。「長となる者は、それなりの経験と実績と人格が必要である。 器でない者が、成ろうとしても失敗に終わる。 これは、日本の企業や政府にも言える」

永遠の仏陀からのメッセージ「日本編」企業シリーズ 16

2025年4月1日夕方5時。 仏陀は、修行に入る、と言われた。
「日本編」企業シリーズ 16
社内は、売上が伸びてきたことで活気づいていた。そんな時、若手の事務の社員が上司に「外国のオーガニックを謳う有名菓子会社が日本に進出する、という情報が入りました。 我が社は、打撃を受けます」と伝えた。上司が、調べると確かな情報だった。
会議が開かれた。 役員たちは、有名菓子会社に負けないためにはどうしたら良いか、意見を出し合った。
1.進出する会社の菓子をよく研究し、自社の味と比較し、他者に引けを取らない商品にすること
2.価格を維持すること
3.素材の産地と直接結びつきパッケージに生産者の声と写真を載せ、全て材料は国内産であることを明記すること
4.他社が上陸する前に情報網を使って自社製品を宣伝すること
に決まった。
社内の研究室では、他社の商品を調べた。 他社に負けない商品を作ることができた。
社員は、オーガニックの農家と契約を結び、新鮮で高品質の材料を仕入れることができた。 パッケージに産地の農家の写真とコメントを入れることができた。 社内一丸となって取り組んだ甲斐があって、今までの商品以上の高品質で消費者の購買意欲を増すような商品が出来上がった。商品は、外国の有名菓子会社が進出する前に情報網を使って販売した。評判は、良く売れ行きは上々だった。
対抗の菓子会社が日本に進出してきた。 高級志向を謳い若いアイドルを使い情報網を駆使して宣伝した。いかにも若者が飛びつきそうな雰囲気だった。自社の商品の売上は、落ちた。社長は、アイドルを用いた宣伝がなくなれば、やがて消費者は注目しなくなると判断した。商品の売り上げは伸び悩み、横ばい状態が続いた。 社長は、このままの方針を守ることと、営業の社員に外交の強化を命じ地道に自社の商品をアピールするように言った。しばらくすると対抗の菓子会社が起用したアイドルがスキャンダルを起こし、情報網からの宣伝がなくなった。 会社の商品は、他社の派手な宣伝がなくなったのを境に売り上げは元に戻って安定した。
仏陀は、言われた。 「企業は基本方針を崩してはいけない。 不況を迎えても地道に努力すれば難は超えられる。 日本の企業も価格競争の渦に入ってはいけない。 質を落とさず地道に努力すれば必ず道は開かれる」