永遠の仏陀からのメッセージ『日本編』ある男Aシリーズ 15

2025年4月24日5時夕方5時。仏陀は修行に入ると言われた。
『日本編』ある男Aシリーズ 15
男は、息子との電話で息子が苦労したことがわかり、安堵した。男の会社の経営も安定していた。
六ヶ月が経った。風の便りで、息子が都会で勤めていた会社から独立して清掃会社を作った、と聞こえてきた。男は驚き、息子に電話した。息子は、清掃事業のノウハウはよくわかったので、自分で会社を起こしたくなった、と話した。アパートの一室を借りて、一人で会社を経営し始めたと言った。男は、かつて息子が望んだたくましい姿を認め「頑張りなさい」と言い、電話を切った。
息子は清掃会社を情報網を使って宣伝し、また宣伝のチラシを作り、商店、会社、家庭へと空いてる時間にポスティングをして歩いた。2週間後、情報網より清掃の依頼が来た。
一ヶ月経つと思った以上に仕事の依頼があり、妻は手伝うと言い、一人で出来ない仕事は、夫が妻に仕事を教え手伝ってもらった。2人で順調に仕事をしていた。
半年経った。息子は、ホテルで学んだ清掃で仕事が早くて丁寧で人当たりが良く評判となり、客が客を紹介し忙しくなりパートを雇った。妻は事務所で下準備や電話応対をし、手伝った。さらに仕事が忙しくなりパートを増やし、清掃会社は大きくなった。
男(父親)は、年をとってきた。今までのような体力を維持できなくなり、妻に相談し、イタリアンファミリーレストランの事業を人に譲った。また、高級イタリアンレストランは、シェフが買い取りたいとの意向があり、譲った。男の経営は古民家の宿一つだけとなり、体が楽になった。十分な蓄えができた。男は妻に「息子が成長し、帰ってきて手伝ってもらいたい時はダメで、人生思うようにいかないものだ」とため息まじりで語った。
時間ができたので、男は妻と2人で息子夫婦を訪れた。息子夫婦には、子どもが生まれていた。男は、息子の立派な成長ぶりに安堵し、田舎に帰った。
一年経ち、息子から「事業が大きくなったので、会社の事務所を新しく移し、社員を増やした」と電話があった。息子によると、以前勤めていたホテルの清掃をすることになったとのことだった。ホテルの清掃会社の仕事ぶりは、息子がいた時より雑になり、ミスが目立つようになった。息子は、ホテルの担当者から「以前、良い仕事をしていたあなたが独立して会社を起こしたことがわかり、依頼した」と言われた。息子にとってホテルの仕事は一番の大きな仕事になった。従業員に仕事を丁寧に教えた。仕事は、順調に行っていた。男夫婦も息子夫婦の活躍を喜んだ。
七ヶ月経った。息子から男に相談の電話だった。息子は「今まで従業員は、ホテルの仕事をきっちりこなしていたのに、ここのところミスが目立つ。注意しても解決しない。このままだとホテルから仕事が断られる。仕事を辞めたくなった」と不安げに言った。男は、「息子に会社で朝、全員で太陽に掌を合わせなさい。皆で挨拶をしなさい」と話した。息子は、かつて苦境の時、挨拶で救われたことを思い出し、翌日から朝礼で実行した。
一ヶ月経つと社内の空気が明るくなり、会社はホテルから仕事のミスを指摘されなくなった。
仏陀は言われた。「太陽に掌を合わすこと。挨拶は必要である」
(大法) この世界と生命の成り立ちを大きな視点から観て欲しい。科学的に見て私たち生命のエネルギーとは太陽エネルギーを変換したものです。すなわち太陽とは、私たち人間にとって「いのちの元」なのです。そのことを深く知ることが、掌を合わせるということです。私たちの意識が、いのちの基につながるならその力を得る。

永遠の仏陀からのメッセージ『日本編』ある男Aシリーズ 14

2025年4月24日朝5時40分。仏陀は、修行に入ると言われた。
『日本編』ある男Aシリーズ 14
外人の妻は、夫の姿を見て涙をこぼした。夫の顔を見つめて何も言わず泣きながら帰った。夫は、妻の泣く後ろ姿を見て、外国からついて来てくれた妻を悲しませてしまったことを感じ、嘘をついたことを心から申し訳なく思った。号泣したいのは自分だった。夫は自宅に帰り、妻に心の底から謝った。妻は、ただ泣きじゃくるだけだった。外人の妻は、夫のことを薄々感じていたが、清掃夫になった夫を見て、隠し事までして働いている姿に愛想を尽かし、裏切られたと感じていた。離婚して母国に帰ろうと思った。夫は、翌日目が覚めると父親のしていたことを思い出し、朝日に掌を合わせた。そして妻に笑って挨拶をした。妻は、夫がふてくされた顔をしていると思ったら、その明るい顔つきに夫の変化を感じ、少し我慢して一緒にいようと決心した。
夫は出社した。いつもと違って仲間に自ら率先して明るい顔で挨拶をした。今まで遅いと言われた仕事を手早くできるように努力した。
一ヶ月経った。息子(夫)は、人並みに掃除をできるようになり仲間からも仕事ぶりを認められるようになった。
三ヶ月経った。その息子の仕事ぶりはさらに変わった。手早く清掃し、他に足りないところはないかを手早くチェックした。仲間から仕事ぶりを評価されるようになった。
六ヶ月経った。息子の仕事ぶりは認められ、他の職員を差し抜いてグループの長に抜擢された。息子は自分の自慢話をしなくなり、人の話をよく聞き、仲間に認められ、よく気がつくことなどが評価された。若くしてグループの長となっても威張らなかった。腰が低く、誰とでも気軽に明るく挨拶をした。グループ長の集会でも評価された。息子の仕事ぶりを見た上司は、「今度、ホテルにビップ客が泊まるので、君が部下として一緒に働くように」と指名した。上司は息子の仕事ぶりを高く評価し、将来自分の後を任せられると見ていた。
一年経った。息子は、ホテルの清掃会社から各グループの一番の責任者に任命された。息子は仕事が面白かった。仕事に生きがいを感じていた。
一方、父親の男は仕事が大成功し、安泰の日々を送っていた。グルメ志向のイタリアンレストランの経営の成功をもとに、イタリアンのファミリーレストランを作ろうと思った。妻は賛成した。妻は夫に息子を戻し支配人にしたらどうかと持ちかけた。男は首を振らなかった。まだまだ苦労させねばならないと言った。男のファミリーレストランはオープンすると評判になり、軌道に乗った。男は、息子に初めて電話をした。息子は父親からの電話に驚いたが、帰りたいとは言わず、仕事が楽しいとだけ話した。
男は、息子の喜んで働く姿に安堵した。息子は、仕事が面白くて故郷には帰りたいとは思わなくなっていた。
仏陀は言われた。「苦労は魂の成長のもとである」

地涌唱題プラクティス 6月

<互いに関連し合っている>                           止まらない戦争、政治経済の混乱、極度なストレス社会、貧富の格差拡大、気候変動などの問題が山積みしており、一向に解決する気配がありません。世界情勢などというと、あまりに大きな問題であって私たち個人は、関係ないと思っておられる方があるかも知れませんが、そんなことはありません。世界情勢と私たち個人情勢とは、相互に作用しあい影響し合って形作られているのです。私たち一人一人の迷いや不安や欲望の集合体が世界であると言っても過言ではありません。

<頭が良いのに解決できない>                        現代人は、かつてないほど高度な教育を受け、理論的な思考の訓練もしています。それなのに上述のような世界的な問題も個人的な問題(不安やストレス、人間関係の悩み等)もすっきりと解決してゆかないのはなぜでしょうか?

<魂の力が発揮されていない>                              現代人は、多くの知識や技術は持っているが、魂の力(霊性)を見失っている、或いは現わされていない

魂と頭脳(思考)とが分かれてしまって思考だけで処理しようとしているのです。そして魂の重要性に気づき実践している人があまりに少ないことが、最大の問題であり、それが当に現代(人)の根本課題なのです。魂の根元的な力を顕し出すなどということは、如何に知的に優れた人であったとしてもほぼ不可能です。科学は、日進月歩しており、今日魂の領域にまで研究の足を踏み入れつつありますが、未だ仮説の域をでません(*a)。しかし、実は既に数千年の昔に究められていた(*b)のです。極めた人を仏陀(目覚めた人)と言います。その叡智(教えと実践法)が今日に伝わっているのです。ここで大事なことは、難しいと言っても誰しも魂の力を潜在的に持っているということです。ただ覆われて見えなくなっているだけ・・・・。ならば顕し出せないことはなく、ある意味簡単なはず・・・、だからこそ

<地涌唱題プラクティスの意義>                       古代からの叡智に基づき、私たちひとりひとりの”根本的な魂の力”を現わし出す。それが当寺院で行っている、地涌唱題(じゆしょうだい)プラクティスです。そして、ここで言う“根本的な魂の力”とは、覚者仏陀のたましい(こころ)と同一のものなのです。当院の地涌唱題は、今日巷に広がる、教義だけの観念論的仏教、個人的な欲望を満たすだけのご利益信仰や魂の無い単なる儀式信仰の唱題とは、明確に一線を画するものです。                  ※地涌唱題プラクティスは、大いなる利益である“根本的な魂の力”を得ることが出来るのです。世間で思われているご利益とは、これに比べると小利益であり、「大は小を兼ねる」と言われるように、地涌唱題においては小利益は特に願わなくても叶うべきものは自ずと叶うのです。

↓地涌唱題プラクティスの一風景

トピック: Zoom 地涌唱題プラクティス 6 (以下の火曜日、または土曜日)           2025年6月 の予定日時(日本時間)                           *火曜日・・・10日、17日 の①午後2時~3時  または、 ②午後8時~9時 (①②の両方参加することもできます)                                     *土曜日・・・7日、21日、28日の午後8時~9時

※カメラ : 原則カメラオン ただし、録画しアップする場合があるので映りたくない方は、オフにしてください。

 ☆要唱寺地涌題目道場での唱題修行日                       5(木)、26(木)の午後1時~4時                              *このほかに6月中にもう一回行いたい(曜日不定)と考えておりますが、決まり次第要唱寺ホームページに手お知らせしたいと思いますのでご確認ください。

*万が一急に中止される場合は、要唱寺ホームページ  第一面『お知らせ爛』に出来るだけ早く掲載します。当日確認の上、参加されてください。

参加費 : 布施(料金として定めておりません。その方の出来るところで布施頂けると幸いです) ※この唱題は、長年の修行の練磨、様々な方々の労苦並びに諸設備の維持・補修等によって成立しています。その持続と発展のためにその方の出来るところで自発的に布施(寄付)いただけるとたいへん有難く存じます。 ・御布施振込先→https://yousyouzi.net/?p=565&preview=true

参加を希望される方は、以下要唱寺のメールアドレスにご一報(お名前と参加希望の意志)ください。Zoom唱題プラクティス参加のための案内詳細 URL,ID,パスコード等を返信申し上げます。daiho_cs@yahoo.co.jp

*a ・・・(参考) 2020年ノーベル物理学賞を受賞したロジャー・ペンローズやアリゾナ大学医学部麻酔科教授であるスチュアート・ハメロフらの意識研究である量子脳理論。仮説であり、未だ実証されたわけではない。

*b・・・法華経によれば、実は数千年どころか太古の昔、宇宙の始まり、或いはそれ以前に究められていた、と説かれている(読み取れる)。これは、現代科学の感覚からは、信じ難いことである。法華経は、壮大な世界観・宇宙観に基づいている。

〈天からのメッセージ(虚空でのお話)78〉

〈天からのメッセージ(虚空でのお話)78〉
※これは、2025年5月24日午前7時25分、虚空において直接女の仏さまにお会いしお聞きした説法を記述したものです。
女の仏様です。
皆様おはようございます。皆様先日お話ししました気候変動のお話は、ご理解できましたか?ご理解できなかったらもう一度読み直してください。
今地球は、最大の危機なのです。地球の温暖化は加速してます。何が何でも止めなければならないのです。それで今回は皆様に、「私たちが地球から恩恵を受けつつ、いかに破壊してしまったか」について具体的にお話をします。人間にとって一番大切な空気・酸素は世界の森林からの恵みです。
南米アマゾンを例にしますと、アマゾンの熱帯林は、伐採により15%も消失しました。これは私たちが、産業価値のある木材を伐採し、農地へと転換して牛を放牧した結果です。熱帯森林は大量のCO2を吸収し、酸素を排出します。
私たちの豊かな生活のために大自然を壊しているのです。CO2は、温室効果ガスのひとつであり、地球温暖化を加速しているのです。
次は飲料水です。人間は、水なしでは生きてはいけませんね。
その水も人間の生活よって汚染されているのです。水は大気の雲が雨となり、地下に浸透し、地下水脈となったり、ダムに貯留されたりして私たちの所に届きます。
今大切な水もPFAS(*)などが地下に浸透し、私たちの体に悪影響を与えています。このPFASも私たちが毎日使っているフッ素加工のテフロンのフライパンや殺虫剤、消火器(消火剤)、防水製品、ペンキなど身近なところで使われています。PFASは自然界では分解でされず、私たちの体内に蓄積され病気の原因となります。私たちが便利な生活をしていることは、命の危険と隣り合わせなのです。
次は、地下資源である化石燃料です。化石燃料は、重油、石油、石炭などですね。地下資源を使って電気を起こしたり、プラスチック製品、衣類や生活雑貨などを作ったりしています。この地下資源を大量に使ったために枯渇してきています。掘り尽くしてしまったのですね。
便利な生活をするために行った結果です。(今や他の持続可能なエネルギーとして危険な原子力発電へと変換しなければ、電力が間に合わないというのが現状です)
問題は化石燃料を使うことで、温室効果ガスである大量のCO2を排出し、大気のバランスを崩し、地球温暖化・気候変動を促進していることです。
これらのことでお分かりいただけましたか? 私たちが今享受している便利で心地よい生活が、地球の姿を壊してしまったのです。それにより地球温暖化が進み、気候変動で異常な猛暑が起きたり、大洪水、巨大な台風、森林火災、漁獲量の減少、農薬使用による生命への危機、植物生態系の危機などを招きました。
今、地球は悲鳴を上げているのです。私たちは、地球を未来の人々へつなげる義務があります。
今の生活を1人1人が自粛しなければいけません。身近なところからできるのです。日常の交通はなるべく、公共機関の電車やバスを使う。プラスチック製品は、なるべく使わない。無農薬の農作物を食べる。無駄な電気は使わない。こまめに消す。過度な贅沢をしない…などなど、1人1人の心掛けが地球を救うのです。地球を守りましょう。私たちの体の健康のためでもあるのです。
このことを地球の皆様にお伝えしましょう。
合掌
↓参考:私(大法)が、注目しているビデオ(活動)
On July 25, 2025, at 7:25 a.m., Buddha told everyone, ‘Let’s start practicing.’
She is a female Buddha.
Good morning, everyone. Did you all understand the discussion on climate change that I mentioned the other day? If not, please read it again.
Currently, the Earth is facing its greatest crisis. Global warming is speeding up, and we must do everything possible to stop it. This time, I want to clearly explain how we have benefited from the Earth while also causing its destruction. The air and oxygen that are most vital to us come from the world’s forests.
For example, in the Amazon rainforest of South America, about 15% of the rainforest has been lost due to logging. This happened because we harvested valuable timber and converted the land into farmland for cattle grazing. Tropical forests play a vital role by absorbing large amounts of CO2 and producing oxygen.
We are destroying the natural environment to sustain our comfortable lifestyle. CO2, as one of the greenhouse gases, is speeding up global warming.
Next is drinking water. Humans cannot survive without water, after all.
This water is also polluted by human activity. Water travels from clouds as rain, seeps underground to form aquifers, or is stored in dams before reaching us. Nowadays, pollutants like PFAS contaminate even this essential water, posing health risks to us. PFAS is found in everyday items such as non-stick cookware, insecticides, fire extinguishers, waterproof materials, and paints. Since PFAS does not break down naturally and builds up in our bodies, it can lead to serious health problems. Our modern, convenient way of living comes with important risks to our health, hidden in the everyday products we rely on.
Next, let’s talk about fossil fuels, which are underground resources like heavy oil, oil, and coal. We use these to produce electricity and make products such as plastics, clothes, and everyday goods. Due to their heavy usage, these resources are now running out—and have been completely depleted.
This is the outcome of efforts to make life more convenient. (Currently, unless we switch to nuclear power—despite its dangers—as a sustainable energy source, we won’t have enough electricity.)
The problem is that using fossil fuels releases large amounts of CO2, a greenhouse gas, which disturbs the atmospheric balance and speeds up global warming and climate change.
Do you understand what these issues mean? The convenient, comfortable life we currently enjoy has damaged the Earth’s natural state. This has accelerated global warming, which in turn has caused extreme heatwaves, massive floods, powerful typhoons, wildfires, declining fish populations, threats to living beings from pesticide use, and crises within plant ecosystems.
The Earth is crying out for help. We have a duty to pass it on to future generations. Everyone needs to practice self-restraint in their daily lives. It all starts close to home. Use public transportation like trains and buses whenever possible. Minimize plastic use. Eat organic, pesticide-free foods. Save electricity by turning off devices promptly. Avoid unnecessary extravagance. Small individual efforts can save our planet. Let’s protect the Earth—not only for the environment but also for our own health.
Let’s share this information with everyone on Earth.
With Gasshou

永遠の仏陀からのメッセージ『日本編』ある男Aシリーズ 13

2025年4月23日夕方5時15分。仏陀は、修行に入ると言われた。
『日本編』ある男Aシリーズ 13
男は、地方の名士となり成功した。そんなある日、息子から電話があった。「父さん、あちらこちらのホテルでたくさん経験したから、帰って手伝うよ」と言った。気軽に言う息子に男は「家に帰ってもお前の仕事はない!」と怒った。男は、息子の言葉から生活ぶりを理解した。息子は、「親父は、人の話を聞かない」とぼやいて電話を切った。
外人の妻は、語学学校の先生と情報網を使って英語の家庭教師をし、よく働いた。収入は夫より多かった。夫が父親に怒られたと聞き、外人の妻は田舎の両親の顔を見てくると、田舎の実家を訪れた。達者な日本語で挨拶をして「夫が勝手なことを言って申し訳ございません」といきなり謝った。男と妻は、外人の嫁の言葉に「息子はたるんでるけれど、嫁はしっかりしている。日本人の女でもこの言葉は出ない」と腰を抜かすほど驚き、嫁を評価した。嫁は、泊まっているあいだ姑について回り、「お母さん、お母さん」と母親を立て、家のことを手伝った。嫁が帰ると言うと、男と妻はいつでもいらっしゃいと言い、別れを惜しんだ。
男は、経営が安定したので仕事を従業員に任せて、妻を長期の海外旅行に連れて行った。男は、妻に「ここまで来れたのは、お前のおかげだ」と礼を言うと、妻は「あなたがいたからこそ頑張れたのです」と照れながら答えた。年老いても仲の良い夫婦であった。
男と妻が海外旅行から帰国した。家に着くと、息子が働いていた。男は、息子にいきなり「お前の仕事はここにはない。都会へ帰れ!」と怒鳴った。息子は、しぶしぶと故郷を去った。
息子は、ホテルでパートで働いていた。仕事がろくにできないのに海外の学校で学んだことを得意になって言うので、仲間から嫌われた。ついにホテルの客相手の仕事がなくなった。
妻に隠してホテルの清掃のパート職に変わった。妻には、ホテルで仕事をしていると言えるので具合が良いと思った。ホテルの客室掃除の係になった。何事にも大雑把な息子が掃除をすると先輩からきつく叱られた。「やり直しをしな」と言われ再度した。
一ヶ月が経ち、息子はやっと仕事の手順を覚え、先輩に注意されなくはなったが、仕事は相変わらず遅く、仲間の冷たい視線を感じていた。
三ヶ月経った。ようやく人並みに動けるようになった。外人の妻が、夫に会いにホテルにやって来た。夫が、ちょうどホテルの廊下を掃除道具を持って歩いてるところだった。妻は、夫の姿を見て口を開けたまま言葉が出なかった。
仏陀は、言われた。「苦労すればつかむものがある」