永遠の仏陀からのメッセージ 22

3月19日午前5時45分、仏陀からの体験的説法
※以下は、単に仏陀の言葉による説法やストーリ一ではなく、唱題修行を通して実際に仏陀に出会い、まるで人生体験のようにリアルに体験された内容を文字として記述したものです。
「王の物語編 18」
昨日の続きである。
国王は微笑んでいた。 国はやっと安定し、元のように戻った。領地を視察した。 農民はよく働く。 稲穂は、よく実っていた。稲の刈り取りの季節が来た。収穫は思った以上の大豊作だった。大量に取れた米に王は、満面の笑みを浮かべた。近隣の諸国は、不作だった。 王の国へは、近隣諸国から米の買い付けの役人が集まった。 王は、簡単には売らなかった。 そのため米の価格はどんどん上がり、結果多額の金を獲得した。 いつしか王は、過去の苦い経験を忘れて金儲けの猛者となっていた。 王の懐が豊かなになったことを知った家臣らは、分け前が欲しいと要求した。 王は、しぶしぶと与えた。
そんなある日、遠方からみすぼらしい旅人が王に接見を求めて訪れ「米を低額で分けてほしい」と懇願したのだった。
王は、「我が国のは、高額で売れる米である」と旅人の顔も見ずに言い放ち、怒り、追い返した。
旅人は、王の言葉に絶望し、城を後にした。
国は、全て順調にいった。 王にとって何一つ不足ない日々だった。
ところがある日、王は体の不調に気がついた。 医者に診てもらうと安静にしていれば治るとの診断だった。 だが、次第に食事を受け付けなくなり、みるみる衰弱していった。王は、自らの命の残り少ないことを察した。 王には、男子1人と女子2人の子がいた。 国の将来を考えて、王子には金銀財宝を持たせ大国に修行に行かせていた。王は、王子を呼び寄せることにした。 大国に使者を向かわせた。 何と使者に伴われて現れたのは、みすぼらしい姿のあの旅人だった。 王は、わが目を疑った。 王子の風貌は、まったく別人のようだった。 王は、薄汚い顔をした旅人を見つめた。 どう見ても我が子には、見えなかった。 …我が子だった。王は、王子に自らの死期の近いことを告げ、国に戻り後を継ぐように命じた。王子は、「父上が私を修行に出した時の大国は、大変に裕福でした。 現在の大国は、失政により貧困の危機を迎えてしまいました。 私は、自ら父王の元に実情を訴えた上で苦しむ民のために米を分けてほしいと願い出たのです。 ところが、父上は私の顔を見ることもせず、要件だけ聞いて、怒り、つき返したのです。 私は、このような浅はかな考えを持つ父上の後を継ぐ意思はありません」と言い放ち、帰っていった。 失意と失望で王の体はさらに衰弱し、間もなく亡くなった。
合掌

永遠の仏陀からのメッセージ 21

3月19日夕方5時、仏陀からの体験的説法
※以下は、単に仏陀の言葉による説法やストーリ一ではなく、唱題修行を通して実際に仏陀に出会い、まるで人生体験のようにリアルに体験された内容を文字として記述したものです。
「王の物語編 17」
ある晴れた日、王が領内を視察していると、農夫が農耕牛の車を引いて来るのが見えた。 王は、農夫に訪ねた。農夫は、隣国にいる知り合いの商人が私に破格値で麻の反物を譲ってくれると連絡が入ったのです。 反物をもらいに行きながら、隣国の珍しいものを私のわずかな米と交換しようと思ってます。
王は、農夫の嬉しそうな顔を見て言った。「その麻の反物を我に譲れ」
農夫は慌てふためいた。「王様、麻の反物は私にとって一生に一度の宝物です。 知り合いの商人の行為により僅かな米と交換してくれるのです」と、王にすがりついた。
王はますます欲しくなった。「王の命令に背く気か?」と怒鳴った。
農夫は何も言えなかった。 農民の弱い姿だった。 叫びたかった。 心の中で号泣した。涙を飲んだ。 引きずるように牛車を引いた。隣国に着いた。商人の家に向かった。 農民の心は沈んでいた。 商人に会う気力もなく重い足を引いて店に入った。 農民の顔を見ると商人は「申し訳ない。 麻の反物は高価な値で買ってくれる人がいたので、売ってしまった」と気まずそうに言った。
農夫は、王様の命令に背くことで頭がいっぱいになった。 商人に言われて、「自分としては元々夢のような宝物は無かったもの」と思うとしても王様の怒りが恐ろしかった。 考えに考えた。 商人に反物の箱をもらって中身を石に変えよう。 王様には「中身は見ないです。ありがたくもらってきました」と言えば良いと考えた。
牛車に積んだ木の箱は予想を遥かに超えた岩のように重く感じ、引っ張る気力もなくなり、やっとのことで城に着くことができた。
農夫の心臓の鼓動は、高鳴った。王は農夫の帰るのを楽しみに待っていた。 農民は、泣きそうな顔で石の入った箱を王に渡した。王は、満面の笑みを浮かべ、箱を開けた。
王は「何だ。 石か!」と怒鳴り顔色が変わった。 農民は、平身低頭に謝り考えた講釈を言った。怒り狂った王は、農民に「罰として年貢米を通常の2倍にする」と吐き捨てるように言った。
農民は、泣きすがって言った。「王様お願いです。 お許しください」
王は、容赦なく農民を追い出した。 それから1ヶ月が経った。領内の視察に回った王は、農民が田を耕やさず呆然としている姿を見つけ声をかけた。 農民は「働いて米が収穫できても年貢米が2倍では、生きてはいけません。 どうせ死ぬのなら今死のうと思ってます」と細々とした声で言った。農民は、心労で今にも倒れそうだった。
王は、死なれたら年貢米がなくなると思い「年貢米は元に戻す!」と突き離すように言った。 農民は、ほっとしたが、気持ちは明るくならなかった。 米の収穫の時期が来た。 農民は、王様に約束の年貢米を納めた。 農民は、王様の領地にいることが不安になった。 王が、農民から奪うことばかり考えている姿を見て将来が真っ暗になった。 農民は、国を離れることを決意した。 家財道具を牛車に積んで、夜道を隣国に向けて出発した…。

永遠の仏陀からのメッセージ 20

3月18日夕方5時、仏陀からの体験的説法
※以下は、単に仏陀の言葉による説法やストーリ一ではなく、唱題修行を通して実際に仏陀に出会い、まるで人生体験のようにリアルに体験された内容を文字として記述したものです。
「王の物語編 16」
或る晴れた日、王は領内を視察しに回った。 すると農民が駆け寄り「王様、戦で息子を失い、働く気になれません」 と言った。かつて国は、国力がなく隣国に攻められて、国土は狭くなり米や財宝を取られ小さくなってしまった。 しかし、その後領民の努力で市が開かれ国力は戻っていった。 王は、「今だったらここまで敗北しない。 我の失策故だった」と自戒していた。 王は、農民の言葉に胸が痛み、弔慰金として米を農民配った。農民は、一時は喜んだけれど「息子は、戦死して帰らん!」と再び不満をつのらせ、さらに弔慰金を要求した。王は、農民のことを理解し、再度米を農民に与えた。
ここで農民は増長し、さらなる米を要求したのであった。 しかし「備蓄米 も少なくなってきた。米は渡せない」と、さすがの王も農民の要求をそのまま呑むことはできなかった。そこで「そうだ。 年貢米を5%減らせばよい」と思いついた。 農民は年貢米の5%を減らすことには喜んだが、不満は消えなかった。王は考えた。「休耕田にすれば労力を使わないで済む」と農民に言い渡した。農民は体が休まることについては納得したが、米をもらえるわけではないと尚不満を訴えた。ついに王は怒り、農民を領地から追放し、市で儲けたお金で足りない米を隣国から購入した。これで国は安定した。
数年経った時、王国の周辺は、今までない暑さで米が実らなかった。 お金を出しても米は買えなかった。 国は、危機を迎えた。 王は、追放した農民を呼び寄せて再び田を耕やさせた。戻された農民は深く反省し、王の声がけに喜んだ。 王も再び自分の国で米を収穫できることを喜び安堵した。

永遠の仏陀からのメッセージ 19

3月18日午前5時45分、仏陀からの体験的説法
※以下は、単に仏陀の言葉による説法やストーリ一ではなく、唱題修行を通して実際に仏陀に出会い、まるで人生体験のようにリアルに体験された内容を文字として記述したものです。
「王の物語編 15」
昨日の続きである。
味方となる者が1人もいなかったことに衝撃を受け、王の心は孤独の淵に沈んだ。頭の中には、不安と焦りが潮のごとく押し寄せ、発狂せんばかりだった。か、と言って誰にも相談できず、来る日も来る日も城の一室に閉じ籠もっていた。
そんなある日…
これまで先祖の墓参りなどしたことがなかった王であったが、「亡き父王や一族の先祖に国の実情を訴えたい」という衝動に駆られ、気がづくと墓に向かっていた。墓前に着くや、思わず声をあげて泣き崩れてしまった…。
いつしか心は、ほのかな安らぎと落ち着きを取り戻し、今までやったことのない墓掃除を自ら行っていた。 以来、王は毎日墓参りをするようになった。
ある日、遠方から僧侶の一行が見えた。王は、僧侶を手厚くもてなし、たっぷりな食事と寝床を用意し、接待した。王は、僧侶の一番の長に国の実情を話した。王の目からは、涙が溢れていた。孤独感に打ちひしがれた深い苦悩の姿だった。王の話にじっと耳を傾けていた僧侶は、しずかに口を開いた。「王様、感謝したことはありますか? 王様を支えてくれる部下一人ひとり、働いてくれる農民、奴隷、家族、そして先祖から与えられた農地、城、実りをもたらしてくれる大自然の太陽、雨、風など…。 王様は、全て当たり前と捉えお過ごしですね。 何一つご自分でできるものはないのです。 全て生きとし生ける者、万物に感謝しましょう」王は、うなだれながらも時折深く頷いた。そこに今までの権力者の姿はなかった。 僧侶の説法が、王の身に心に染みわたった。 大粒の涙が頬を伝わって流れた。今まで考えたことのない言葉に心臓の鼓動の高鳴りゆくのを感じた。
早速、王は、家臣らに笑みを浮かべて朝の挨拶をした。 朝食を運んでくれる女の召使いにも礼を言った。 王の部下一人ひとりに自ら挨拶し、労いの言葉をかけた。肥溜め担ぎをする賤民にも、領内の農民にも挨拶をし、「良くやってくれてありがとう」などの言葉をかけた。農地を覆う大自然にも感謝した。
一ヶ月経った。城内は、家臣の明るい笑い声が聞こえるようになった。 領地を歩くと農民は、駆け寄ってきて王に明るく挨拶をし、よく働いた。
半年経った。執務をすると部下は城内の不備を伝え、王に解決策を提案するようになった。 今まで王政で欠落していた点が分かり、次々に解決するようになっていった。 農民は懸命に働き今までにない米の収穫を得ることができた。 国は豊かになり、国政は安定し、領民は国王を称えた。

永遠の仏陀からのメッセージ 18

3月17日、仏陀からの体験的説法
※以下は、単に仏陀の言葉による説法やストーリ一ではなく、唱題修行を通して実際に仏陀に出会い、まるで人生体験のようにリアルに体験された内容を文字として記述したものです。
「王の物語編 14」
ある日の朝のことである。 王は、目が覚めて気分よく過ごしていた。 と、突然騒がしい足音が聞こえた。家臣が、大きな声を挙げながら駆け込んできた。「王様、大変です!内乱が起きました。王様の部下が、農民を引き連れて城郭に入ってきました」と、告げた。王は、慌てふためいた。「部下たちを呼べ、これから作戦を考える。 鎮圧せねばならない」と興奮して叫んだ。 ところが、王の前に集まった部下は、何と3分の1にも満たなかった。王は、3分の2の部下が、背いたことを知って焦った。
「内乱を沈めるには、賄賂を渡さねばならない。 内乱の首謀者1人1人に米と財宝を渡そう」と、王は考えた。 内密に内乱の首謀者を1人1人呼んで米と財宝を渡そうとした。 ところが、王の差し出した米と財宝を誰も受け取らなかった。 再び交渉が、もたれた。王は、これ以上出したくなかったが、内乱の首謀者たちの強硬な態度に押され、しぶしぶ倍にして渡さざるを得なかった。これによって国の内乱は、一応収まった。 首謀者は、元の仕事に戻り、城で働いた。事の顛末を目の当たりにしていた王の側近らは、内乱の首謀者より、さらに多い米と財宝を要求した。 王は、部下が全員米と財宝を欲しがり、信頼できる者が1人もいないことに嘆き悲しんだ。
仏陀は、言われた。 「これは、日本の縮図である」