永遠の仏陀からのメッセージ 『日本編』企業シリーズ5

2025年3月27日朝5時45分、仏陀は、修行に入ると言われた。
『日本編』企業シリーズ 5
社長は、会社の状況を社員に説明した。 そして営業の社員を増やした。 営業の社員は、見本の菓子袋を持って新しい店舗の開拓に励んだ。 多くの店舗は、これ以上新しい商品を置けないと厳しい顔で断ってきた。社員は厳しい状況にも負けず、見本の品を持って仕事をした。社員たちは会社に戻り、1日の成果を報告した。 同じく皆厳しい状況だった。 しかし、誰も悲痛な苦しさや焦りの言葉を出さなかった。 誰かが一言「先が見えない」などと言葉を発したら、一気に士気が落ち、立ち上がれなくなりそうな緊迫した空気が流れていた。
取引先との話し合いの日が訪れた。 社長は先方に再度「社会状況による材料の高騰を説明し、品質は下げられない。 量を少なくするしかない。これ以上値下げしたら、会社は損益になる」と説明した。
しかし、先方は新しい会社から安い価格での交渉が来ていると譲らなかった。 話し合いは決裂し、先方は取引の停止を告げてきた。
社員たちは、断られた店舗に再度訪れた。 何度断られても自社製品を覚えてもらえば良いという覚悟だった。 社員が、再度断られた店を訪れた。 店の社長は、「お宅の商品を試しに店に出しておいたら、味見した客がこれを祭事に使いたいと注文した。これを機に仕入れることにした」と伝えた。士気の弱まっていた女の会社にやっと笑顔が戻った。 社長、社員全員で喜んだ。 会社の危機に際し、社長は自らの給料を取らなかった。 社員もまた給料の減額を理解した。 誰1人不満は、言わなかった。会社を辞めようという者もなかった。 社内は、社長と共に「苦しさに立ち向かおう、新しい取引先を探そう、開拓しよう」という気運になっていた。 社員たちは諦めず、何度も何度も断られた店舗を訪れた。断った店舗へ行くと置いていったクッキーが、味見として器に置かれているのが見られるようになった。 社員の熱意と品質の良さと客の評判で店舗から、ひとつまたひとつと注文が来るようになった。 社長は、毎日自社の屋上で太陽に向かい無になって掌を合わせた。 社員の健康と社運を祈った。 数ヶ月が経ち、 会社は元の状態以上の注文が来るようになっていた。
仏陀は言われた。「長に立つ者は、部下を先ず第一と考えなければならない。 自分を捨て部下を愛しめば、大きな力となって長を支える。 これは国でも同じである」「人間は、常に太陽に畏敬の念を持たねばならない。 太陽につながれば宇宙からのエネルギーが注がれる」

永遠の仏陀からのメッセージ 『日本編』企業シリーズ4

3月26日夕方5時、仏陀は「修行に入る」と言われた。
『日本編』企業シリーズ 4
女は、職場で明るい顔で仕事に精を出した。 後輩から 「最近は明るいですね。何かあったんですか?」 と聞かれ、「紛失物が出てきて嬉しいのよ」とさらりと言えるようになっていた。 心の縛りから完全に解放されていた。
会社は、小規模なクッキー工場だった。 ある日、会社に客が訪れた。 女が応対した。客は、「この会社の評判を聞き、子どもの就職に薦めたいと思い、話を聞きに来ました」と言った。 「ホームページに、社長さんが朝社員を会社の入り口で挨拶をして迎える、と書いてありました。 社員はとても気持ちが明るくなるとのコメントがありました。 また、社内で仕事をしていると社長から必ず『ありがとう』と声をかけられるとのコメントもありました。 本当でしょうか? お聞きしに来たのです」 客はこの会社に魅力を感じたとのことだった。
確かに社内の雰囲気は、明るかった。 社員同士の噂話や陰口も少なかった。 上司は、部下を可愛がった。 社員は自分の仕事に精を出して不平を言わずによく働いた。 会社の商品は、品質と味が良いと評判だった。
そんなある日、一番大きな取引先から納品物の値下げ交渉の話が来た。 社長は、近年の材料の高騰と品質へのこだわりを説明した。 取り引き先相手は、新しい会社から安い商品の話が来ている、と譲らなかった。 社長は即答出来ず、次回の話し合いの日程を決めて別れた。
社長は部下を集めた。「近年の材料の高騰と品質の維持並びに会社の利潤を考えて中身を少なくして納品するしかない。話し合いが決裂すれば納品を断わられ、会社最大の危機が訪れる」と説明した。説明を聞いた社員たちは、「この危機に備えて新しい納品先を開拓しましょう!」と提案した。会議の内容は深刻なのにも関わらず、社員たちの顔に暗さはなかった。 社員一同で危機を脱しようという気迫があった。
仏陀は言われた。 「すべての家庭、社会の基本は挨拶と感謝の言葉である。 些細な言葉であるが、重大な意味がある」

永遠の仏陀からのメッセージ 『日本編』企業シリーズ 3

3月26日朝5時45分、仏陀は、修行に入ると言われた。
『日本編』企業シリーズ 3
昨日の続きである。
ブランドの財布は、戻ってきた。 女は、バッグを処分してしまったことを後悔した。手元にバッグがないことで頭がいっぱいになっていった。
女が、仕事場に向かう途中の出来事だった。 街の高級リサイクルショップのウィンドウを見た。
「私のバッグが、…」心の中で叫んだ。
近寄ってみると買った時の2倍の値段で売っていた。 興奮した。 心は燃えたぎった。 仕事中も頭の中は、バッグのことが浮かんでは消え、消えては浮かんでいた。バッグを愚かにも処分してしまった自分を責めた。 2倍の値のついたバッグは、取り戻すことができなかった。 後悔の渦が、脳を占領した。
通勤の行き帰りにリサイクルショップの前を通り、バッグを眺めた。 ショ一ウィンドウにバッグがあることを確認しては安堵した。
だが、数日後リサイクルショップにバッグはなかった。女は、焦った。今まで幻の宝となったバッグが目の前にあることで安堵していたのだ。 目の前から見えなくなったことで、我に帰った。一生懸命作ってくれた職人のこと、財布を失って人を責めた日々、バッグを失った自分の愚かさ、後悔した日々を思い出した。 バッグが、目の前から消えて初めて気がついた。 心の縛りが、解れていった。 それからは、女はリサイクルショップの前を軽い足取りで通り抜けた。女は、バッグを届けてくれた人、財布を届けてくれた人の誠実な心に気がついたのだ。
仏陀は、言われた。 「これらが、人間社会の現実、今の世界情勢の現実である。 自国のみにとらわれて先が見えず、とことん失って初めて気がつく姿である」

永遠の仏陀からのメッセージ 『日本編』企業シリーズ 2

3月25日午後5時、仏陀は「修行に入る」と言われた。
『日本編』企業シリーズ 2
日本のある都市の出来事である。 女はやっと気に入ったバッグを手に入れ、それを持って街へ出かけた。 化粧室に入った。大勢の人で混んでいた。 バッグを長い洗面台の上に置いた。 丹念に化粧をし直しているうちにバッグを肘で押してしまい、落ちたのに気づかなかった。 化粧が終わり、化粧ポーチを入れようとするとバッグがなかった。 周囲を見回してもなかった。焦った。デパートの係りに事情を説明した。 そして交番に行った。警察官は、訳を聞き調書に書いた。
警察で交通費をもらって帰宅した。 バッグは取られたと信じた。化粧に夢中になった自分を後悔した。バッグには、高価なブランドの財布とバスの乗車券が入っていた。 バッグと財布を同時に失ったショックは、大きかった。 頭は、後悔でいっぱいだった。 やっと手に入れた財布だった。 日常生活に笑いを失っていた。街を歩く人、バスを待つ人、全てに不審感を持ち、暗い毎日を過ごしていた。 諦めきれなかった。
2週間後のことだった。 警察から連絡があった。警察官の前には、なくなったバッグが置かれていた。 警察官から「離れた交番にあなたの届け出と同じようなバックが届けられていました」との説明を受けた。 バッグには、財布がなかった。 警察官は、「届けられたのはバックだけです。中身はありません」と告げた。 調書に署名して帰宅した。
一瞬の喜びは、最悪の事態へと変わった。 財布への未練が、高ぶっていった。バッグを届けてくれた人への感謝の気持ちは、微塵もなかった。バッグ以上に高かった財布がない。油断をした自分を責め、取られたと決めつけてさらに気が沈んだ。女は、バッグを見るたびに腹立たしかった。バッグをしまった。 持つ気がしなくなった。 ついにバッグを処分してしまった。
それから2週間が経ち、警察から電話があった。 財布は、老婆により届けられていた。 老婆は、デパートのトイレで財布が落ちていたので拾って手提げに入れて交番に届けようと思ったが忘れてしまった、という説明を受けた。 財布は、女の手に戻った。 中身は全て元のままだった。財布が出てきたことを喜んだ。
しかし、思い込みで人を恨んだり、暗い日を過ごしたことには、何も反省しなかった。
仏陀は、言われた。「 人間の思い込みである。 自分の思い込みで周囲の状態が見えなくなり、失敗を起こすのが人間の常である。 そして反省しないで同じことを繰り返す」

永遠の仏陀からのメッセージ 『日本編』企業シリーズ 1

2025年3月25日5時40分、仏陀は、「修行に入る。 今日から新しい話が始まる」と言われた。
『日本編』企業シリーズ 1
日本のとある都市での話である。1人の女が自分の好みのバッグを探して街を歩いていた。 こんなに店がたくさんあるのに、どうして好みのバッグがないんだろう? 何軒も何軒も探し歩いた。 いくら探しても見つからなかった。諦めきれなかった。 好みのバッグが見つからず、ついに決心した。 本屋へ行きバックの作り方の本を買った。家に帰り、本をよく見た。作れない。 無理だとわかった。 そんなある時、友人に会った。彼女は、自分の最も欲しかったバッグを持っていた。 思わず「素敵なバッグね。 どこで買ったの? 私は、あなたの持っているようなバッグを探していたの。 見つからないのよ。 売っている場所を教えていただけない?」と言った。
友人は褒めてもらった礼を言い、「私は手に入るから、良かったらこれを譲る」と言った。
女は友人から譲られたバッグを持ち街を歩いた。女の知り合いから声をかけられた。 バッグを褒められた。女の友人も欲しがった。 女は、譲ってくれた友人に声をかけた。 女にバッグを譲った友人は、「これは知り合いの職人さんが丁寧に作っているの。 よかったら紹介するわ」と言った。
バッグの職人の作業場へ行った。 作業場は、都会の中心の住宅地にある古いマンションの一室だった。 職人は、インターホンの音で出てきた。 玄関口から、使い古したミシンと作業台それと材料が山積みに積んであるのが見えた。 職人は愛想のない顔で挨拶をし、好みなどを聞き注文を受付けて、値段と渡す日を伝えた。 法外な値段ではなかった。 職人は寡黙だった。 1人でバッグのクオリティや使い勝手を追求し、丁寧に作っていた。利益のみを追求しなかった。使う人が喜んでもらうバッグを考えてひたすら仕事をしていた。
女は、約束の日に職人を訪れ、バッグを受け取ると早速持ち歩いた。すると、すれ違う人などに声をかけられた。バッグを褒められた。バッグを手に入れた女は、その度あの職人を紹介した。バッグは評判となった。 職人のもとには、注文が殺到したが、職人は自分のできる範囲で1つ1つ丁寧に作った。 たくさんの注文が来ても法外な値段を取らなかった。
仏陀は、言われた。「今の世の中は利潤のみを追求し、物を作る。利潤のみを追求した品物の中身は薄く、簡単に捨てられる。1つ1つ丁寧に作る人の心が、物に伝わる。 バッグの評判は、職人の心の現れである。 丁寧に使われる。今の世の中で一番欠落している精神である」